今日は、北海道マラソンの開催日。
今頃、レースの真っ最中ですね。
ご参加の皆様の健闘をお祈りしています!
私は、もう何年も北海道マラソンには出ていないが、実は、道マラは最も思い入れのあるレースのひとつである。
今日は、道マラにかかわる思い出話をしてみようと思う。
私が初めて道マラにエントリーしたのは、2006年の大会だった。
当時の道マラは、制限時間4時間、しかも、テレビ中継の関係で正午がスタートという厳しいレース。
でも、私にとっては、憧れのレースだった。
当時の私は、まだ走歴3年弱。
2回目のフルだった2005年10月のいわて北上マラソンで初サブフォー、以降、12月のホノルルマラソン、そして、2006年3月の荒川市民マラソン(今の板橋市民マラソン)で、コンスタントにサブフォーで走ることが出来たので、満を持して、道マラにエントリーした。
しかし、結局、その年の道マラはDNSだった。
というのは、2006年7月3日に、乳がんの告知を受けたからだ。
いや、走ろうと思えば、走れたのかもしれない。
術前化学療法を開始したのは道マラ直前だったので、2週間ぐらい開始を遅らせれば、道マラを走ることが出来たのだ。
しかし、あの時は、あまりにもがんになってしまったという精神的ショックが大きかったし、また、治療を数週間でも遅らせることが恐ろしくて、走る気が失せてしまった。
あんなに一生懸命練習を積んでいたのに。
未だに、だんなは「あの時、道マラを走ればよかったのに」と言う。
初めて、道マラを走ったのは、2008年のこと。
2007年2月に乳がんの手術を終え、春先からトレーニングを再開。
その年のホノルルマラソンでサブフォーで復活を飾り、ようやく道マラに再挑戦するだけの走力を取り戻すことが出来た。
2008年の道マラのウェア。
当時は、ランスカが大流行していた。
レースシューズは当時もターサー。
当時も、時計はPOLARだったが、今のようにGPS付きのものではなく、ペースと距離はシューズに装着したフットポッドで計測していた。
今となっては、足にこんなに大きなものを着けて走っていただなんて、信じられない!
この年の道マラも、正午スタート、制限時間4時間だった。
とにかく暑かったのを覚えている。
給水テーブルはとても短く、しかも出されるのは小さなコップの水のみ。
スポーツドリンクはおろか、給食の類は一切出なかった。
レース序盤は、給水所で、水の取り合いが発生。
ボランティアの人がテーブルの上に水の入ったコップ2個を置くと同時に取らないと、次の2個を待たなければならない。
水を待っている人がいるので、コップ1個で済ませたいところなのだけど、暑いので、頭からかぶる水がほしくて、結局2個取ってしまう。
レース終盤は暑さが堪えたが、3時間43分25秒(グロス)でフィニッシュ。
当時の自己ベストに数10秒及ばなかったものの、厳しいレースを完走することが出来て、フィッシュゲートをくぐった瞬間、ウルッと来たのを覚えている。
その翌年、2009年8月の道マラも、思い出深いレースだった。
その年の道マラでは、お互いのブログで知り合った、札幌在住のMさんと初めてお目にかかることになっていたからだ。
Mさんも私と同じで、乳がん経験者。
Mさんは、乳がんが再発し、道マラの翌日に入院し、化学療法を受けることになっていたのだ。
私は、乳がんの告知を受け、道マラを走るのを諦めてしまったが、Mさんは似たような状況で道マラを走ることを選んだ人。
私と違って、Mさんは心が強い人なのだ。
当日レースで着ようと思って、うちを出る前に撮ったウェアの写真が残っている。
下のランパンは、太ももむっちりがイヤで、当日は、黒のランスカで走ったと記憶。
ウェアに合わせて、ネイルもブルーに。
レース当日は、思いのほか涼しく、最高気温は20℃そこそこ、終始曇り空だった。
レース前、なかなか調子が上がって来ず、「3時間50分そこそこで走れば合格」ぐらいに考えていた私。
これだけ絶好のお天気に恵まれて、狙わなければ絶対に後悔すると思い、目標を自己ベストに切り替えた。
35㎞手前だったか、Mさんとスライドした。
Mさんはほぼ最後尾だったが、しっかりとした足取りで走っていた。
「頑張って!」とお互いに声を掛け合い、私もさらに気合が入った。
北海道大学構内に入る手前辺りから、脚が止まらない感覚を覚えた。
羽が生えたように、どんどん体が前に進む感じだった。
あの感覚を味わったのは、あの時が最初で最後。
もう一回、あの感覚を味わいたいと思いつつ、10年が経ってしまった。。
グングンとペースアップしたまま、気がつけばフィニッシュしていたという感じ。
タイムは、3時間39分24秒(グロス)。
初めて3時間40分を切って、これが当時の自己ベストとなった。
残念なことに、Mさんは、翌年この世を去られた。
今でも、道マラの季節になると、Mさんと羽が生えたようなあの時の走りを思い出す。
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