長くなりそうな予感がするサロマのレースレポ。
よろしくお付き合い頂ければ、うれしいです。
昨日アップした「レース前編」は、↓からどうぞ。
レースを10㎞おきのラップタイムとともに振り返ってみたい。
イメージしやすくするため、コース図の画像をサロマ湖100㎞ウルトラマラソンの公式HPからお借りした。
~10㎞ (1'06'14")
午前5時スタート。
「行ってらっしゃい!」と沿道からの応援がうれしい。
4月初旬に肘骨折をし、精神的にも肉体的にも辛い日々があったけれども、それを乗り越えて、3年ぶりにサロマに戻ってくることが出来た。
スタートラインに着くことが出来ただけでも、感激だった。
いつもサロマを走る時は、最初の5㎞だけ、だんなと一緒に走ることにしている。
スタート後、すぐに二人ともトイレに行きたくなってしまい、4㎞地点付近だったか、前日ランチを頂いたリボン食堂の前にある公衆トイレに入る。
二人ともほぼ同時に出て来て、再び一緒に走り始める。
そして、5㎞地点で、予定通りお別れ。
だんなに先に行ってもらう。
肘骨折から復活して、サロマに向けての練習期間は実質1ヶ月ちょっと。
なので、今年は、これまで以上に、慎重にレースを進めようと思っていた。
想定ペースは、キロ6分50秒~7分ぐらい。
前方からのスタートだったため、5㎞までは周りにつられて想定よりもだいぶ速く入ってしまったが、だんなと別れてからはとにかく淡々とペースを刻んでいこうと思った。
6㎞過ぎぐらいだったか、右前方をチャーリーさん(id:besmart-chari)がスイスイと走っていくのを見た。
速すぎて、声を掛ける間もなく。。
チャーリーさんの力強い走りに元気をもらった。
~20㎞ (1'12'30")
10㎞を過ぎて、湧別を離れ、いよいよサロマ湖へ。
トップランナーの集団とスライド。
速くて、全く別のレースを見るようだ。
スタート直後トイレに行ったというのに、またトイレに行きたくなってしまった。
例年より遅いペースで走っているので、なるべくタイムロスをしたくないが、こればかりは致し方ない。
何回か入ったことのある公衆トイレに入った。
個室が2個しかないため、私の前には7人ぐらい既に並んでいた。
ちょっとイライラ。
でも、ここで一息入れて、リラックスしなければ。
結局、ここで7、8分使ってしまったと思う。
トイレを済ませて、再び走り出す。
すると、左足のシューズの所謂「ベロ」と言われる部分(足首下方の前面)に妙な痛みを感じた。
これまで経験したことがない痛み。
いつもと違うシューズの履き方をしてしまったのだろうか?
一旦シューズを脱いで履き直した方がいいのかも・・・と思いつつ、トイレでのロスタイムが気になり、そのまま走り続けた。
20㎞手前の三里番屋の折り返しに向かう道で、チャーリーさんとスライド。
すかさず、「イカーッ!!」と声を掛ける。
速い、速い。
イカ新記録を予感させる走りだった。
その後、だんなとスライド。
だんなは、「マイペースでね」と声を掛けてくれた。
私も頑張ろう!と思う反面、左足首前面の痛みはどんどんひどくなる一方。
まだまだレース序盤なのに・・・
不安がどんどん増幅していった。
~30㎞ (1'07'47")
20kmを過ぎて、さすがにこのまま走る訳にはいかないと思い、一旦、完全に立ち止まり、コース端に座り込み、シューズを脱いで、履き直した。
その際、ソックスがたぐくまっているのかとも思い、しっかり伸ばした。
ここまでやれば大丈夫!と思い、再び走り出したが、足首前面の痛みは消えてくれなかった。
ソックスとシューズの相性が悪いのか?
54㎞地点のレストステーションに替えのソックスが置いてあるので、履き替えようと思った。
しかし、そこまで行くのに、まだ30㎞以上走らなければならない。
そう思うと、気が遠くなりそうだった。
そうこうするうちに、左肘の内側が痛くなってきた。
骨折の影響なのか、長い距離を走っている間に、左肘の周りに突っ張り感を感じたことは何度かあったけれども、肘の内側に痛みが出るのは初めてだった。
足首の痛みに肘の内側の痛み。
これまでになかった痛みが、何故こんな大切な時に出てくるのか?
まだレース序盤だというのに・・・
でも、この時点でレースを諦めるのはまだ早いと思った。
その一方で、ワッカを走る自分が想像出来なかった。
本当にこんな状態で、完走出来るのだろうか?
不安しかなかった。
~40㎞ (1'12'29")
足首と肘内側の痛みは相変わらず。
さらに、悪いことに、35km辺りから、急に気温が上がった。
天気予報を信じて、「気温は上がらない」という前提で、厚手長袖Tシャツを着ていた私には大打撃。
さらに、長袖Tシャツの下には、肘の痛み対策で、ザムストのアームカバーをしていた。
そりゃ、暑い訳だ。。
これ以上肘の痛みが増すのが怖かったので、アームカバーはそのままにして、Tシャツの袖を可能な限りまくり上げた。
それでも、やはり暑いものは暑い。
暑さと足首の痛みで、35km過ぎからはかなり歩いてしまった。
54㎞地点のレストステーションで、薄手長袖に着替えようと思ったが、果たしてそこまで辿り着けるだろうか?
この辺りで、完走という文字がどんどん遠のいていくのを感じた。
~50km (1'32'42")
フルの通過が4時間55分55秒。
当初、5時間以内に通過出来れば、何とか完走出来るかも・・・と思っていたが、こんなに序盤から歩くことは全く想定していなかった。
「走らなきゃ」と思えば思うほど、走れない。
走ると、過呼吸状態になってしまう。
思えば、暑さに相当やられていたのかもしれない。
45㎞から国道に出てからは、上り坂が始まる。
このぐらいの時間帯になると、坂を走るランナーはほとんどいない。
歩くのが遅い私は、歩いているランナーにも抜かれるほどだった。
「悔しい」
思わず、口から出た言葉だ。
肘の内側の痛みは気にならなくなったが、左足首の痛み、過呼吸状態は相変わらず。
この状態でレースを続けるのは無理だし、そのうち関門にも引っかかってしまうだろう。
国道を歩きながら、次の50km関門でリタイヤしようと決めた。
歩きながら思い出されたのは、レース前最後のエントリーに頂いた、naoさん(id:saitoh_naoki)の「完走目指して出し切ってきて下さいね。」というコメント。
これで、自分は「出し切った」と言えるのだろうか?
ずっと歩きながら、自問自答していた。
でも、「もうこれが限界。やはり1ヶ月ちょっとの準備では100㎞は無理だったのだ」と思った。
悲しかった。
既に気持ちで負けていた私は、リタイヤするためだけに、50㎞関門へ向かって歩き続けた。
~続く
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